2012年06月08日
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2012年06月08日
恩讐を超えて
ハノイでの歓迎式典で、ベトナムのフン・クアン・タイン国防相(左)とともに儀仗兵を閲兵するレオン・パネッタ米国防長官。恩讐を超えて米越両国の接近が加速している=6月4日、ベトナム・首都ハノイ(ロイター)
米越両軍
熾烈を極めた
ベトナム戦争
かつてホーチミンは
大日本帝国軍を
お手本にしたが・・・
いまや
日本が
ベトナムから
学ぶべきことは多い
じゃあな
米越、恩讐超えて対中牽制 海上安保、軍事協力を協議
【SANKEI EXPRESS 2012/06/05】
ベトナム訪問中のレオン・パネッタ米国防長官 United States Secretary of Defense ・Leon Edward Panetta (73)は6月4日、ハノイでフン・クアン・タイン国防相(63)と会談、中国とベトナムなどが領有権を争う南シナ海情勢を見据えた海上安全保障や2国間の軍事協力を協議した。パネッタ氏は会談後の記者会見で、台頭する中国をにらみ、両国関係を「新たなレベル」に引き上げると強調。1960~70年代にベトナム戦争で激しく戦火を交えた両国だが、恩讐を超えて対中包囲網の形成を図る。
■戦闘艦の寄港希望
パネッタ氏は2日、シンガポールでのアジア安全保障会議で、2020年までに米海軍艦船の約6割をアジア太平洋地域に集中させるとの方針を表明し、中国を牽制した。3日からのベトナム訪問は、南シナ海に臨む中部の要衝カムラン湾から開始。
1975年のベトナム戦争終結後、米国防長官がカムラン湾を訪れるのはパネッタ氏が初めてで、停泊中の米補給艦を視察したパネッタ氏は「米艦船がカムラン湾のような港を利用できることは極めて重要だ。(南シナ海の)航行の自由を発展させるためベトナムと取り組む。ベトナム戦争時代、私は一将校(米陸軍中尉・情報将校)だったが、今回の訪問で、両国関係の劇的な改善を実感した」と語った。
カムラン湾は10万トン級の船舶停泊が可能な水深を持つ良港で、ベトナム戦争中は米軍も基地を置いていた戦略的要衝。戦争終結後は共産圏の基地となり、79年から2002年までは旧ソ連と後継国のロシアが太平洋艦隊の一部を駐留させていた。
パネッタ氏の発言には南シナ海への積極進出を図る中国が念頭にあるのは明白で、4日の会談では、カムラン湾への米軍艦船の寄港問題が主要テーマの一つとして話し合われた。これまで米軍艦船の寄港は補給艦だけだったが、米側は戦闘艦の寄港も希望したという。
■昨日の友、今日の敵
国交正常化から17年、米越両国の接近は急だ。今年4月には中部のダナン湾を米海軍の艦船3隻が訪問。ベトナム海軍との共同訓練を行うとともに、市民との交流も図った。共同訓練は10年から毎年行なっており、ベトナム政府は「災害救助を中心とした訓練であり、軍事的な演習ではない」としているが、これは仇敵と手を組むことへの複雑な国民感情に配慮した建前の“公式見解”に過ぎない。
ベトナムは、中国の影響力がインド洋周辺まで及ぶことを懸念しているインドとも関係を強化し、南シナ海の油田の共同開発で合意。かつて後ろ楯だったロシアからは戦闘機や潜水艦の購入を進め、中国を意識した全方位外交を展開している。
ただ、共産党独裁体制を敷くベトナムにとって、中国は本来、社会主義国の同志である。また、中国はベトナム戦争時、共産側の北ベトナムを積極的に支援し、武器や補給品を援助しただけでなく、軍事顧問として最大時には5万人規模の人員を派遣した。これは、外国からの参戦としては、南ベトナムを支援した米軍に次ぐ規模だった。まさに「昨日の友」が「今日の敵」になった形だ。
「国家には永遠の友も永遠の敵も存在しない。存在するのは永遠の国益だけである」
大英帝国の全盛期に首相を務めたパーマストン子爵、ヘンリー・ジョン・テンプル(1784~1865年)の名言である。
(SANKEI EXPRESS)
米越両軍
熾烈を極めた
ベトナム戦争
かつてホーチミンは
大日本帝国軍を
お手本にしたが・・・
いまや
日本が
ベトナムから
学ぶべきことは多い
じゃあな
米越、恩讐超えて対中牽制 海上安保、軍事協力を協議
【SANKEI EXPRESS 2012/06/05】
ベトナム訪問中のレオン・パネッタ米国防長官 United States Secretary of Defense ・Leon Edward Panetta (73)は6月4日、ハノイでフン・クアン・タイン国防相(63)と会談、中国とベトナムなどが領有権を争う南シナ海情勢を見据えた海上安全保障や2国間の軍事協力を協議した。パネッタ氏は会談後の記者会見で、台頭する中国をにらみ、両国関係を「新たなレベル」に引き上げると強調。1960~70年代にベトナム戦争で激しく戦火を交えた両国だが、恩讐を超えて対中包囲網の形成を図る。
■戦闘艦の寄港希望
パネッタ氏は2日、シンガポールでのアジア安全保障会議で、2020年までに米海軍艦船の約6割をアジア太平洋地域に集中させるとの方針を表明し、中国を牽制した。3日からのベトナム訪問は、南シナ海に臨む中部の要衝カムラン湾から開始。
1975年のベトナム戦争終結後、米国防長官がカムラン湾を訪れるのはパネッタ氏が初めてで、停泊中の米補給艦を視察したパネッタ氏は「米艦船がカムラン湾のような港を利用できることは極めて重要だ。(南シナ海の)航行の自由を発展させるためベトナムと取り組む。ベトナム戦争時代、私は一将校(米陸軍中尉・情報将校)だったが、今回の訪問で、両国関係の劇的な改善を実感した」と語った。
カムラン湾は10万トン級の船舶停泊が可能な水深を持つ良港で、ベトナム戦争中は米軍も基地を置いていた戦略的要衝。戦争終結後は共産圏の基地となり、79年から2002年までは旧ソ連と後継国のロシアが太平洋艦隊の一部を駐留させていた。
パネッタ氏の発言には南シナ海への積極進出を図る中国が念頭にあるのは明白で、4日の会談では、カムラン湾への米軍艦船の寄港問題が主要テーマの一つとして話し合われた。これまで米軍艦船の寄港は補給艦だけだったが、米側は戦闘艦の寄港も希望したという。
■昨日の友、今日の敵
国交正常化から17年、米越両国の接近は急だ。今年4月には中部のダナン湾を米海軍の艦船3隻が訪問。ベトナム海軍との共同訓練を行うとともに、市民との交流も図った。共同訓練は10年から毎年行なっており、ベトナム政府は「災害救助を中心とした訓練であり、軍事的な演習ではない」としているが、これは仇敵と手を組むことへの複雑な国民感情に配慮した建前の“公式見解”に過ぎない。
ベトナムは、中国の影響力がインド洋周辺まで及ぶことを懸念しているインドとも関係を強化し、南シナ海の油田の共同開発で合意。かつて後ろ楯だったロシアからは戦闘機や潜水艦の購入を進め、中国を意識した全方位外交を展開している。
ただ、共産党独裁体制を敷くベトナムにとって、中国は本来、社会主義国の同志である。また、中国はベトナム戦争時、共産側の北ベトナムを積極的に支援し、武器や補給品を援助しただけでなく、軍事顧問として最大時には5万人規模の人員を派遣した。これは、外国からの参戦としては、南ベトナムを支援した米軍に次ぐ規模だった。まさに「昨日の友」が「今日の敵」になった形だ。
「国家には永遠の友も永遠の敵も存在しない。存在するのは永遠の国益だけである」
大英帝国の全盛期に首相を務めたパーマストン子爵、ヘンリー・ジョン・テンプル(1784~1865年)の名言である。
(SANKEI EXPRESS)