2012年06月21日
2012年06月21日
2012年06月21日
新たな「冷戦」
≪どこでも攻撃≫__北極海の氷を砕いて浮上し、氷上に姿を現した米海軍の攻撃型原潜「コネチカット」の艦橋。今、北極海の氷の下では、再び潜水艦が跋扈(ばっこ)する事態になっている(AP)
サンタさんお願いです
日本に
原潜をください
じゃあな
New Cold War 北極海「争奪」 米は強力原潜
【SANKEI EXPRESS 2012/04/27】
地球温暖化による北極圏の雪(氷)解けが、新たな「冷戦」を生み出している。北極海が閉ざされた海から開かれた海へと変化し、新たなシーレーンの開通が見込まれる上、氷に閉ざされ、技術的にも採算面でも採掘は不可能とみられていた海底資源の開発が現実味を帯びてきたからだ。
沿岸8カ国(米国、ロシア、カナダ、デンマーク、アイスランド、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)は、開発や利害調整に向けたルール作りに乗り出しているが、米露などは先行して北極海で軍事演習を実施。先月には演習を終えた米海軍の攻撃型原子力潜水艦が横須賀基地(神奈川県横須賀市)に寄港し、北極海が文字通りホットな海になったことを印象づけた。
AP通信は先週、「新たな冷戦か? 北極の氷の帽子が解け、軍事的優位を築く動き顕在化」と題する記事と、先月(3月)、横須賀基地に寄港した米海軍のシーウルフ級攻撃型原子力潜水艦「コネチカット」(乗員約150人)の写真を配信した。コネチカットは昨年、数カ月にわたって北極海で展開し、今年2月には米、カナダ、デンマークの3カ国による北極海での軍事演習を終えたばかりだった。
イアン・ジョンソン艦長(中佐)はAP通信に「われわれ(米国)は北極海で軍事的優位を確立し、それを維持し続けなければならない。この地に眠る国益を守ることは、極めて重要だ」と語った。コネチカットは核兵器搭載可能な戦略型原潜ではないが、砕氷力に優れ、米海軍では北極海での展開に最も適し、核ミサイル搭載を可能にする改修も容易とされる。
米地質学研究所によると、地球上にある未発見の石油資源の13%、天然ガス資源の30%が北極の海底に眠る。石油でみると、日本の消費量の約50年分にもなる量だ。また、海底には金、ニッケルなどの鉱物資源も豊富に埋蔵されているとみられ、各国のパワーゲームの火種になっている。
3月5日から12日にかけては、当事国の偶発的衝突を防ぎ、信頼を醸成するために、ノルウェーの主導による軍事演習「コールド・レスポンス」が北極海で行われた。演習には周辺当時国だけでなく、英国やフランスなどを含む全14カ国から1万6300人の兵士が参加、ヘリコプターの墜落事故でノルウェー軍の兵士5人が死亡するなど、実戦さながらに熱のこもったものだった。
北極海は東西冷戦時代には、別の意味で米ソの戦場だった。両国は北極海深くに潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した原潜を常時展開させることで、仮に本土が先制核攻撃を受けた場合でも、確実に報復できる能力をキープした。冷戦終結によってその戦略的意義は減じたが、地球温暖化という予期せぬ要因によって、北極海はより複雑な冷戦の場として、再びクローズアップされることになった。
サンタさんお願いです
日本に
原潜をください
じゃあな
New Cold War 北極海「争奪」 米は強力原潜
【SANKEI EXPRESS 2012/04/27】
地球温暖化による北極圏の雪(氷)解けが、新たな「冷戦」を生み出している。北極海が閉ざされた海から開かれた海へと変化し、新たなシーレーンの開通が見込まれる上、氷に閉ざされ、技術的にも採算面でも採掘は不可能とみられていた海底資源の開発が現実味を帯びてきたからだ。
沿岸8カ国(米国、ロシア、カナダ、デンマーク、アイスランド、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)は、開発や利害調整に向けたルール作りに乗り出しているが、米露などは先行して北極海で軍事演習を実施。先月には演習を終えた米海軍の攻撃型原子力潜水艦が横須賀基地(神奈川県横須賀市)に寄港し、北極海が文字通りホットな海になったことを印象づけた。
AP通信は先週、「新たな冷戦か? 北極の氷の帽子が解け、軍事的優位を築く動き顕在化」と題する記事と、先月(3月)、横須賀基地に寄港した米海軍のシーウルフ級攻撃型原子力潜水艦「コネチカット」(乗員約150人)の写真を配信した。コネチカットは昨年、数カ月にわたって北極海で展開し、今年2月には米、カナダ、デンマークの3カ国による北極海での軍事演習を終えたばかりだった。
イアン・ジョンソン艦長(中佐)はAP通信に「われわれ(米国)は北極海で軍事的優位を確立し、それを維持し続けなければならない。この地に眠る国益を守ることは、極めて重要だ」と語った。コネチカットは核兵器搭載可能な戦略型原潜ではないが、砕氷力に優れ、米海軍では北極海での展開に最も適し、核ミサイル搭載を可能にする改修も容易とされる。
米地質学研究所によると、地球上にある未発見の石油資源の13%、天然ガス資源の30%が北極の海底に眠る。石油でみると、日本の消費量の約50年分にもなる量だ。また、海底には金、ニッケルなどの鉱物資源も豊富に埋蔵されているとみられ、各国のパワーゲームの火種になっている。
3月5日から12日にかけては、当事国の偶発的衝突を防ぎ、信頼を醸成するために、ノルウェーの主導による軍事演習「コールド・レスポンス」が北極海で行われた。演習には周辺当時国だけでなく、英国やフランスなどを含む全14カ国から1万6300人の兵士が参加、ヘリコプターの墜落事故でノルウェー軍の兵士5人が死亡するなど、実戦さながらに熱のこもったものだった。
北極海は東西冷戦時代には、別の意味で米ソの戦場だった。両国は北極海深くに潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した原潜を常時展開させることで、仮に本土が先制核攻撃を受けた場合でも、確実に報復できる能力をキープした。冷戦終結によってその戦略的意義は減じたが、地球温暖化という予期せぬ要因によって、北極海はより複雑な冷戦の場として、再びクローズアップされることになった。