2011年06月26日
中国、強まる「軍国化」傾向…子供にも軍事訓練
幼稚園児にも
軍事教育
果たして・・・
「無敵の9条」は
通用するのか・・・
じゃあな
【石平のChina Watch】
中国、強まる「軍国化」傾向…子供も訓練
2011/06/23 10:50更新
今月10日、共産党機関紙人民日報は、中国国防大学の教育活動に関する注目記事を掲載した。解放軍の「最高学府」である国防大学が現在、外部向けの「国防研究コーナー」を開設して、中央官庁や各地方政府の幹部などを順番に集め研修をさせているという。国有大企業の経営陣までがその対象に含まれているようである。
幹部たちはここで、軍の指揮官になりきって戦争の模擬演習に没頭したり「国防戦略」の策定に熱中したりしていると報じられている。彼らの「国防意識と能力」を強化させることがその目的であるらしいが、記事の中で、たとえば中国人民対外友好協会の会長を務める陳昊蘇氏が研修を受けた感想として「軍事闘争に勝つ自信を深めた」と述懐しているのがとりわけ印象的である。
2001年に中国で「国防教育法」が制定されて以来、全国の小、中学校、高校、大学の学生、生徒も何らかの形で「国防教育」を受けることになっている。当局が公表した資料によると、この法律が制定されてから2010年末までの間、全国で2万校以上の小、中学校で「少年軍事学校」が開設されるようになり、高校と大学で実施されている軍事訓練の参加者は毎年2千万人に達しているという。
軍事訓練は時々、小学生以下の子供にも及んでいる。去る5月31日、地方紙の「広州日報」は6月1日の「児童節(こどもの日)」を記念して幼児園(幼稚園)児に関する記事を掲載したが、それによると、広州市内の龍華富通天駿幼児園の子供たちは5月30日、近所の解放軍駐屯地を訪問して見学した後に、解放軍兵士による1時間弱の軍事訓練を受けたという。この記事はまた、広州市内の多くの幼児園も6月1日を前後にして類似するような活動を展開していると報じている。
このように今の中国では普段なら「国防」の仕事とは直接に関係のない中央官庁や地方政府の幹部たちが順番に軍事研修に参加したり、全国の小、中学生が「少年軍事学校」に通わせられたり、年間2千万人以上の高校生や大学生が軍事訓練を受けたりしてまさに「老弱男女軍事一色」の国民的「軍国化」体制づくりが進められている。
その中では、本来なら外国との友好親善の増進を仕事とするはずの対外友好協会の会長までが「軍事闘争に勝つ自信」うんぬんを語ったり、幼児園児までが軍事訓練の対象になったりするような恐ろしい光景が繰り広げられている。この国は一体、何をしようと考えているのであろう。
こうした「軍国化」体制づくりの傾向は実は、近年になって強まってきている節がある。冒頭の人民日報記事によると、共産党が「党中央公文書」と称する正式文章を伝達して、「各級幹部の国防教育の強化及び国防大学の『国防研究コーナー』の開設の継続」を指示したのが今年の4月11日のことであるという。
また「国防教育法」制定11年目の今年の6月から、法律実施の状況を検分するためのキャンペーンが教育部と中央軍事委員会の連携で始まっている。もちろん、法律の実施に関する今までの成果を確認した上で、「国防教育のよりいっそうの強化」をはかることがキャンペーン展開の目的である。
ちょうどこの6月に西太平洋や南シナ海で中国海軍の危うい動きも再び見られるようになっている。それと連結して考えてみれば、中国国内の「軍国化」傾向の持つ意味はよく分かってくるのであろうが、このような中国にどう対処すべきなのかは、まさに日本にとっての最重要課題である。
【プロフィル】石平(せき・へい) 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
Posted by 『にっしゃん』 at 08:17│Comments(0)
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