2014年05月18日
ごじゃ
高速鉄道事故、生存者いた車両「埋めよ」と指示した責任者が栄転
サーチナ 5月9日(金)10時47分配信
上海鉄道局の王峰副局長が4月24日付で、蘭州鉄道局の局長に異動していたことが分かった。王副局長(以下、役職はすべて異動前のもの)は2011年7月23日に発生した高速鉄道列車の追突事故で、生存者の捜索が完全に終わっていなかったにも関わらず、現場の整理のために破壊された車両を「埋めよ」と指示した。中国新聞社が報じた。
同事故では40人が死亡、172人が負傷したとされる。王副局長は事故発生翌日の24日は、事故現場近くに穴を掘って、破壊された車両などを埋めるよう指示した。車両は押しつぶされてへしゃげ、内部に取り残された人の捜索は難航していた。
記事は、「現場にいた別の指導者が制止したので、王副局長の命令は実行されなかった」と紹介した。その後、車内で2歳8カ月の女児が生存していることが確認され、事故発生から約20時間後の24日午後5時ごろに救出された。救出された女児は同年12月下旬にいったん治療を終え、退院した。さらに長期に渡るリハビリが必要だが、当初は懸念されていた足の切断は避けることができたという(解説参照)。
11年12月25日に政府が発表したリポートは、事故発生と事故処理などについて54人が処分の対象になったと説明。王副局長も処分の対象となった。リポートは、「整地のために、救援現場で穴を掘るチームをつくり」などと、生存者の可能性がある車両を埋めようとしただけでなく、王副局長の支持が「救援のための資材や人力を割く」結果となったことを示唆している。
王副局長の異動先は、それまでの勤務地の上海鉄道局に比べれば“僻地”ということになるが、資源の輸送などでは重要な地域であり、「副局長」から「局長」と地位が上昇しているので「栄転」ということになる。
王副局長が上海鉄道局の副局長に就任したのは2006年で、長期にわたって「安全」と「インフラ建設」の責任者だった。
中国の高速鉄道については、追突事件の前にも技術的問題で運転ができなくなる事態が多発していた。建設に携わった技術者からの「自分は絶対に乗らない(乗る勇気がない)。親友にも乗らないように勧める」との声が出ていた。(編集担当:如月隼人)
【配信元】NPO法人 百人の会
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