2012年01月08日
習近平氏の横顔
中国の習近平国家副主席

習近平氏の妻・彭麗媛


今後の
対中外交は
益々たいへんやと思う
じゃあな
中国の次期指導者、習近平氏の横顔
【10月31日 AFP】
中国の次期後継者と目される習近平(Xi Jinping)国家副主席(57)は市場に理解のある人物とされているが、政治的な権力基盤は弱く、最高権力者となった後も権力掌握までに時間がかかるだろう、と専門家はみている。
習副主席は18日の第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で党中央軍事委員会副主席に任命され、2013年に任期が終わる胡錦涛(Hu Jintao)国家主席の後継者の座をほぼ確実にしたとみられている。
中国共産党の英雄を父に持つ習氏は、福建(Fujian)省長、経済活動の活発な浙江(Zhejiang)省党委員会書記、中国の金融 中心地である上海(Shanghai)市の党委員会書記などを歴任し、市場改革にも好意的な人物とみられている。
米シンクタンク、ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のチェン・リ(Cheng Li)シニアフェローは「習氏は非常に市場に理解があり、中流階級と民間企業を代表した行動をとる可能性がかなり高い。国家による独占の問題にも対応 するだろう」と語る。
■政治的には体制維持
しかし、政治的な見解や指導力の面では「非常に不透明」(リ氏)であるのも確かだという。
中国で習氏といえば、胡主席の側らで写真に収まる無口で少しずんぐりとした風ぼうの人物で、いつも党の公式見解に沿った発言をし、妻は有名な歌手というイメージだ。
専門家たちは、習氏は保守的な政治姿勢を維持するだろうとみている。
そもそも習氏に次期後継者の白羽の矢が立った大きな理由は、江沢民(Jiang Zemin)前国家主席ら権力者たちが、習氏の革命の英雄としての血筋が習氏を体制維持に向かわせると考えたからだ。
さらに、習氏は共産党の最も保守的な機関の1つとされる中央党校(党の高級幹部養成機関)の校長でもある。
中国の反体制活動家の孫文広(Sun Wenguang)元山東大学(Shandong University)教授は「習氏のこれまでの行動からすると、習氏が現在の硬直した体制を打破するような行動や革新的なことをすると期待すべきで はない。現体制を維持する可能性が最も高い」と語る。
■市場改革には理解
習氏が赴任した上海や福建省、浙江省は、輸出にけん引される中国の経済成長と市場改革の最前線だった。そこで習氏は、多くの外国人投資家とのパイプを得た と、香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)の政治アナリスト、ウィリー・ラム(Willy Lam)氏は語る。
中国では外国企業の活動を制限する動きが広がっているが、外国人投資家とのパイプを持つ習氏ならばこういった動きを抑制する可能性もある。
ラム氏は「温家宝(Wen Jiabao)首相や胡錦涛主席は本格的に外国のビジネスマンを相手にしたことは一度も無い。習氏なら、外国人ビジネスマンたちのニーズがよくわかるだろう」と指摘する。
■弱い権力基盤
とはいえ、中国の国家政策がますます党中央の指導者層によって集団的に決定されることが多くなっているなか、習氏の権力基盤は、これまでの次期指導者たちの中で最も弱い部類に入る。このことによって習氏は制約を受けるだろう。
江沢民前主席は長年上海市のトップを務めたことから、上海閥からの強力な支持を得ていた。また、胡錦涛主席は、中国共産主義青年団という強固な基盤をもとにトップに登りつめた。
習氏の基盤となるのは、共産党幹部の子女たちという血統をもとに政界・財界の地位を確保した「太子党」だが、2013年以降も政治力を維持するとみられている胡主席に対抗できるほどの力は無いとされている。
「1期目は権力基盤固めに費やされることになる。習氏が経済その他の分野にどのような強固な考えを持っていようが、習氏の2期目以降にならなければ現実の政策には反映されないだろう」(ウィリー・ラム氏)
彭麗媛(ほうれいえん、ポン・リーユアン、PengLiyuan、1962年11月20日-)は中国の軍隊歌手。人民解放軍での階級は少将。人民解放軍総政治部歌舞団団長。夫は現中華人民共和国副主席の習近平。
中国の次期リーダーと目されている習近平氏はどんな人物?
典型的な現代テクノクラート
(2011年8月22日 読売新聞)
習近平氏は中国共産党の最高意思決定機関である政治局常務委員会(9人で構成)のメンバーであり、党内序列は第6位です。
ただし、国家副主席、党中央書記局書記、中央党校校長という重要ポストのほかに、中央軍事委員会副主席という、権力の核心につながる職務を兼ねていますから、現時点での実質的な序列はナンバー1の胡錦濤国家主席(党総書記、中央軍事委員会主席)に次ぐと見ていいでしょう。
習近平氏は来年(2012年)秋の第18回党大会で正式に党総書記に選出される見通しですが、すでに「習近平時代」は助走態勢に入っているわけです。
習氏は1953年6月1日生まれの58歳。内陸部の陝西省出身です。74年に共産党に入党し、清華大学化学工程学部を卒業しました。父親は革命元老の一人で、副首相、政治局員などを務めた習仲勲氏(2002年死去)。つまり、いわゆる「太子党」(高級幹部子弟グループ)の一員です。
こうした政治的背景もあって、大学卒業後はエリート街道を邁進(まいしん)し、福建省のアモイ市副市長、福州市党委書記、省長代理、省長を歴任した後、浙江省党委書記、上海市党委書記と順調に官僚政治家の道を歩んできました。福建省在勤中には母校・清華大学の人文社会学院で学び、博士号を取得しています。
改革・開放以降の中国の政治家は「高学歴」「専門知識」「現場経験」が出世の主要な条件になっていますが、習氏はまさしく典型的な現代テクノクラートです。ついでながら、夫人は著名な歌手の彭麗媛さん(50歳、人民解放軍総政治部歌舞団団長 少将)で、彼女は来日公演を行ったこともあります。
政治家としては実務を着々とこなすタイプ。私は2008年3月、日中ジャーナリスト交流会議の日本側代表団の一員として北京・人民大会堂で習氏と会見する機会がありましたが、習氏は注意深く言葉を選びながら、ゆったりと語る性格で、温厚で慎重な人物という印象でした。
上海市党委書記時代の習氏について、私の知人の中国人記者は「自分の言葉がない。会議では、毛沢東やトウ(トウは「登」におおざと)小平、江沢民がああいったこういったと話すことが多かった」と語っています。その意味では、党の路線に忠実なタイプ(政治的にはわりと保守的)であり、それが毛沢東やトウ小平の言葉を引用して語るという発言スタイルにつながっているようです。
中央党校での演説でも「指導幹部は読書を愛し、いい本を読み、読書上手になれ。第一にマルクス主義理論を学習せよ」と訴えていますが、あまりにも教条的かつ古典的な訓示で、これを聞く限りでは新世代の政治家としての新鮮味やオリジナリティーは感じられません。
ただ、配慮すべきなのは、かつて胡錦濤氏が江沢民氏の下でサブを務めたときのように、習氏も今は「隠れず目立たず」という非常に微妙な政治的立場にあるということです。次期指導者候補としてそれなりの存在感は示さなければなりませんが、派手な言動で目立つようなことをすれば、指導部内に不必要な波風を立てることになりかねません。できるだけ地味に、堅実に、しかしながら、次期指導者たるにふさわしい安定感もアピールしたい。その辺が目下の習氏の微妙な立ち位置と言えるでしょう。
なお、党内の権力闘争という文脈から、共産主義青年団(共青団)を権力基盤とし、胡錦濤派に属する李克強副首相(序列7位)を、指導者レースの最大ライバルと見なす分析もありますが、習氏の次期後継者としての地位はまず揺るがない。来年の党大会までの間に本人が重大な政治的失策を犯した場合や、身辺にとんでもないスキャンダルが生じた場合はともかく、現状のまま推移するなら、内定人事がひっくり返ることはありえません。万が一、そんな事態が起きるとすれば、一種の宮廷クーデターです。
さて、日本にとっての気掛かりはその対日姿勢ですが、表向きの発言から判断する限り、そう悪いものではありません。人民大会堂での私たちとの会見時には、日中関係について「一衣帯水で2000年の友好交流がある」と紋切り型のあいさつで切り出したものの、「日本はとても好きだ。(自分が以前トップを務めた)福建省は沖縄県、長崎県と姉妹関係にある。福州市は那覇市と長崎市が姉妹都市だ。日本はいろいろ行ったが、まだ行ってないところがたくさんある。機会があればぜひ訪日したい」と語っていました。
中国の首脳が、たとえ社交辞令であるにしても、「日本はとても好きだ」というような、極めて率直な表現で日本について個人的感想を述べるのは非常に珍しいことです。素直に理解すれば、地方指導者時代の対日交流活動における日本の印象がよかったということでしょう。
もちろん、これは歴史認識、尖閣諸島など、国益がからむ重大な原則問題で、習氏が日本に対して融和的、妥協的であるということを意味しているわけではありませんが、国家間関係においては指導者個人の対日観という要素も無視できません。次期指導者が日本にどんな感情を持ち、日本との距離をどう調整していくのか、じっくり見極めることが必要です。

習近平氏の妻・彭麗媛


今後の
対中外交は
益々たいへんやと思う
じゃあな

中国の次期指導者、習近平氏の横顔
【10月31日 AFP】
中国の次期後継者と目される習近平(Xi Jinping)国家副主席(57)は市場に理解のある人物とされているが、政治的な権力基盤は弱く、最高権力者となった後も権力掌握までに時間がかかるだろう、と専門家はみている。
習副主席は18日の第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で党中央軍事委員会副主席に任命され、2013年に任期が終わる胡錦涛(Hu Jintao)国家主席の後継者の座をほぼ確実にしたとみられている。
中国共産党の英雄を父に持つ習氏は、福建(Fujian)省長、経済活動の活発な浙江(Zhejiang)省党委員会書記、中国の金融 中心地である上海(Shanghai)市の党委員会書記などを歴任し、市場改革にも好意的な人物とみられている。
米シンクタンク、ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のチェン・リ(Cheng Li)シニアフェローは「習氏は非常に市場に理解があり、中流階級と民間企業を代表した行動をとる可能性がかなり高い。国家による独占の問題にも対応 するだろう」と語る。
■政治的には体制維持
しかし、政治的な見解や指導力の面では「非常に不透明」(リ氏)であるのも確かだという。
中国で習氏といえば、胡主席の側らで写真に収まる無口で少しずんぐりとした風ぼうの人物で、いつも党の公式見解に沿った発言をし、妻は有名な歌手というイメージだ。
専門家たちは、習氏は保守的な政治姿勢を維持するだろうとみている。
そもそも習氏に次期後継者の白羽の矢が立った大きな理由は、江沢民(Jiang Zemin)前国家主席ら権力者たちが、習氏の革命の英雄としての血筋が習氏を体制維持に向かわせると考えたからだ。
さらに、習氏は共産党の最も保守的な機関の1つとされる中央党校(党の高級幹部養成機関)の校長でもある。
中国の反体制活動家の孫文広(Sun Wenguang)元山東大学(Shandong University)教授は「習氏のこれまでの行動からすると、習氏が現在の硬直した体制を打破するような行動や革新的なことをすると期待すべきで はない。現体制を維持する可能性が最も高い」と語る。
■市場改革には理解
習氏が赴任した上海や福建省、浙江省は、輸出にけん引される中国の経済成長と市場改革の最前線だった。そこで習氏は、多くの外国人投資家とのパイプを得た と、香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)の政治アナリスト、ウィリー・ラム(Willy Lam)氏は語る。
中国では外国企業の活動を制限する動きが広がっているが、外国人投資家とのパイプを持つ習氏ならばこういった動きを抑制する可能性もある。
ラム氏は「温家宝(Wen Jiabao)首相や胡錦涛主席は本格的に外国のビジネスマンを相手にしたことは一度も無い。習氏なら、外国人ビジネスマンたちのニーズがよくわかるだろう」と指摘する。
■弱い権力基盤
とはいえ、中国の国家政策がますます党中央の指導者層によって集団的に決定されることが多くなっているなか、習氏の権力基盤は、これまでの次期指導者たちの中で最も弱い部類に入る。このことによって習氏は制約を受けるだろう。
江沢民前主席は長年上海市のトップを務めたことから、上海閥からの強力な支持を得ていた。また、胡錦涛主席は、中国共産主義青年団という強固な基盤をもとにトップに登りつめた。
習氏の基盤となるのは、共産党幹部の子女たちという血統をもとに政界・財界の地位を確保した「太子党」だが、2013年以降も政治力を維持するとみられている胡主席に対抗できるほどの力は無いとされている。
「1期目は権力基盤固めに費やされることになる。習氏が経済その他の分野にどのような強固な考えを持っていようが、習氏の2期目以降にならなければ現実の政策には反映されないだろう」(ウィリー・ラム氏)
彭麗媛(ほうれいえん、ポン・リーユアン、PengLiyuan、1962年11月20日-)は中国の軍隊歌手。人民解放軍での階級は少将。人民解放軍総政治部歌舞団団長。夫は現中華人民共和国副主席の習近平。
中国の次期リーダーと目されている習近平氏はどんな人物?
典型的な現代テクノクラート
(2011年8月22日 読売新聞)
習近平氏は中国共産党の最高意思決定機関である政治局常務委員会(9人で構成)のメンバーであり、党内序列は第6位です。
ただし、国家副主席、党中央書記局書記、中央党校校長という重要ポストのほかに、中央軍事委員会副主席という、権力の核心につながる職務を兼ねていますから、現時点での実質的な序列はナンバー1の胡錦濤国家主席(党総書記、中央軍事委員会主席)に次ぐと見ていいでしょう。
習近平氏は来年(2012年)秋の第18回党大会で正式に党総書記に選出される見通しですが、すでに「習近平時代」は助走態勢に入っているわけです。
習氏は1953年6月1日生まれの58歳。内陸部の陝西省出身です。74年に共産党に入党し、清華大学化学工程学部を卒業しました。父親は革命元老の一人で、副首相、政治局員などを務めた習仲勲氏(2002年死去)。つまり、いわゆる「太子党」(高級幹部子弟グループ)の一員です。
こうした政治的背景もあって、大学卒業後はエリート街道を邁進(まいしん)し、福建省のアモイ市副市長、福州市党委書記、省長代理、省長を歴任した後、浙江省党委書記、上海市党委書記と順調に官僚政治家の道を歩んできました。福建省在勤中には母校・清華大学の人文社会学院で学び、博士号を取得しています。
改革・開放以降の中国の政治家は「高学歴」「専門知識」「現場経験」が出世の主要な条件になっていますが、習氏はまさしく典型的な現代テクノクラートです。ついでながら、夫人は著名な歌手の彭麗媛さん(50歳、人民解放軍総政治部歌舞団団長 少将)で、彼女は来日公演を行ったこともあります。
政治家としては実務を着々とこなすタイプ。私は2008年3月、日中ジャーナリスト交流会議の日本側代表団の一員として北京・人民大会堂で習氏と会見する機会がありましたが、習氏は注意深く言葉を選びながら、ゆったりと語る性格で、温厚で慎重な人物という印象でした。
上海市党委書記時代の習氏について、私の知人の中国人記者は「自分の言葉がない。会議では、毛沢東やトウ(トウは「登」におおざと)小平、江沢民がああいったこういったと話すことが多かった」と語っています。その意味では、党の路線に忠実なタイプ(政治的にはわりと保守的)であり、それが毛沢東やトウ小平の言葉を引用して語るという発言スタイルにつながっているようです。
中央党校での演説でも「指導幹部は読書を愛し、いい本を読み、読書上手になれ。第一にマルクス主義理論を学習せよ」と訴えていますが、あまりにも教条的かつ古典的な訓示で、これを聞く限りでは新世代の政治家としての新鮮味やオリジナリティーは感じられません。
ただ、配慮すべきなのは、かつて胡錦濤氏が江沢民氏の下でサブを務めたときのように、習氏も今は「隠れず目立たず」という非常に微妙な政治的立場にあるということです。次期指導者候補としてそれなりの存在感は示さなければなりませんが、派手な言動で目立つようなことをすれば、指導部内に不必要な波風を立てることになりかねません。できるだけ地味に、堅実に、しかしながら、次期指導者たるにふさわしい安定感もアピールしたい。その辺が目下の習氏の微妙な立ち位置と言えるでしょう。
なお、党内の権力闘争という文脈から、共産主義青年団(共青団)を権力基盤とし、胡錦濤派に属する李克強副首相(序列7位)を、指導者レースの最大ライバルと見なす分析もありますが、習氏の次期後継者としての地位はまず揺るがない。来年の党大会までの間に本人が重大な政治的失策を犯した場合や、身辺にとんでもないスキャンダルが生じた場合はともかく、現状のまま推移するなら、内定人事がひっくり返ることはありえません。万が一、そんな事態が起きるとすれば、一種の宮廷クーデターです。
さて、日本にとっての気掛かりはその対日姿勢ですが、表向きの発言から判断する限り、そう悪いものではありません。人民大会堂での私たちとの会見時には、日中関係について「一衣帯水で2000年の友好交流がある」と紋切り型のあいさつで切り出したものの、「日本はとても好きだ。(自分が以前トップを務めた)福建省は沖縄県、長崎県と姉妹関係にある。福州市は那覇市と長崎市が姉妹都市だ。日本はいろいろ行ったが、まだ行ってないところがたくさんある。機会があればぜひ訪日したい」と語っていました。
中国の首脳が、たとえ社交辞令であるにしても、「日本はとても好きだ」というような、極めて率直な表現で日本について個人的感想を述べるのは非常に珍しいことです。素直に理解すれば、地方指導者時代の対日交流活動における日本の印象がよかったということでしょう。
もちろん、これは歴史認識、尖閣諸島など、国益がからむ重大な原則問題で、習氏が日本に対して融和的、妥協的であるということを意味しているわけではありませんが、国家間関係においては指導者個人の対日観という要素も無視できません。次期指導者が日本にどんな感情を持ち、日本との距離をどう調整していくのか、じっくり見極めることが必要です。
Posted by 『にっしゃん』 at 08:17│Comments(0)
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