2011年07月22日
2011年07月22日
中国空軍「見えない戦闘機」
中国南西部の四川省成都で、5世代戦闘機J(殲)-20の点検を行なう中国空軍の整備士たち

発表された性能は
信用できないが
『脅威』にかわりはない
『9条』だけでは
エライ目に遭いそう
じゃあな
【軍事情勢】「正体不明」の中国空軍「見えない戦闘機」
【SANKEI EXPRESS 2011/07/17】
中国空軍の5世代戦闘機J(殲(せん))-20が、レーダーで探知され難いステルス性能を備えているかどうかなど、文字通り「正体不明」になっている。
「脅威論」は根強い。オーストラリアの研究機関「ザ エア パワー オーストラリア」の研究員カルロ・コップ博士は米ウエッブ誌「チャイナ ブリーフ」に「J-20の初期評価」なる論文を掲載。1月に実施された試作機の初試験飛行の画像などから、航空機の大きさや形状・構造をはじき出し、以下のように分析している。
■空の「支配者候補」
≪速度・高度・ステルス・旋回性能は間違いなく米空軍のF-22多用途戦術戦闘機と同レベル。F-35多用途戦闘機に対しては、全てとは言わないが、多くの性能で勝り、十分に対抗し得(う)る。エンジンの推力が大きければ戦闘機、防空要撃機、攻撃機としても活用できる。小さ目であれば、近接航空戦闘における敏捷(びんしょう)性では劣るものの、要撃機や爆撃機としての任務には非常に効果的。ステルス性能に関しても、ほぼ全ての現存する統合防空システムを無効にする能力を備える≫
その結果-
≪環太平洋地域で確実に要撃できる能力を保有している機種はF-22とロシア空軍のミグ-31迎撃戦闘機だけになる≫
しかも-
《大きさから、重量やエンジン推力、燃料タンク容量を計算し、効率的な亜音速巡航速度で飛行したと仮定すると、空中給油なしに第1列島線(図参照)内の全標的を攻撃できる。空中給油を受ければ、米軍の戦略拠点グアムを含む第2列島線(図参照)に沿って、ほとんど全ての標的を狙い得る》

分析が正しければ、FX(次期主力戦闘機)の選定が米国の事情などによって大幅に遅れているわが国にとってはゆゆしき事態である。実際、論文が導き出した結論はこうだ。
(1)初試験飛行は重大な戦略的段階を踏んだといえ、西側の水準に照らしても最先端技術と格付けできる最新鋭機といえる。
(2)ステルス形成技術を習得したとみるべきで、アジアの航空戦略図のバランスを変えてしまう可能性を秘める。
(3)米国とその同盟国による対抗戦略の選択肢は非常に限られる。通常型航空戦力に対する米国と同盟国の戦略的優位は、難しい課題に直面する恐れがある。量産化されれば、アジア・太平洋地域における航空戦略の均衡を変え得る「支配者候補」になることは疑いもない。
■米は脅威論を一蹴
しかし、米国防総省は現段階では脅威とはみなしていない。同省報道官は、脅威と恐れることは「やや大げさ」で「少し落ち着いて評価するように強く勧める」とクギを刺している。その論拠については「開発の動きは掌握してきた」と前置き。現時点で判明したのは「過去の中国機と外形が違う点と短時間の試験飛行を実施した点だけ」だとし「(ステルス性能を備えた)第5世代能力を獲得したかを見極めるのは時期尚早」との見方を示した。そのうえで「米軍は、中国軍などに備え十分過ぎる数のF-22を保有、開発中のF-35にしても2500機配備する計画で、米軍の戦略分析には全く変化がない」と、脅威論を一蹴した。
これに対し、試験飛行を受け中国軍の研究機関・軍事科学院の研究員は北京日報紙上に、実戦配備は「2015~18年」だとの見通しを公言。試験飛行成功により「米露とともに『次世代戦闘機クラブ』の仲間入りをし、航空兵器の発展水準は米国に次ぎ、ロシアとともに第2グループにつけた」と自賛した。もっとも、試験飛行から実戦配備まで「5~8年かかる」としている。一方、中国の軍事情勢に明るい民間軍事研究機関・漢和情報センター(本部・カナダ)は、配備について「10~15年」と見積もっている。
■「安全圏」ではない格差
中国当局者の話を鵜呑(うのみ)みにはできないが、試験飛行で観(み)た胴体は確かに「そろばん玉」のようで、レーダーから照射される電波の反射方向に制約を課すかのような形状を成している。ただし、ステルス機運用は、早期警戒管制機(AWACS)などとの情報共有があって初めて隠密性を発揮、敵の機先を制することができる。そういうネットワークシステムを完成させているか否かも、ステルス機運用に大きく影響する。
ところで、米軍と中国軍の間にはステルス機開発において20年の差があるといわれる。だが、米軍の立ち位置は「安全圏」とは言い難い。コソボ紛争最中の1999年に撃墜された、米空軍のF-117ステルス攻撃機の残(ざん)骸(がい)を住民から買い集め、機密を取得したという、当時のクロアチア軍高官の証言もある。
米ハワイ州の連邦裁判所では、B-2ステルス戦略爆撃機開発メンバーのインド系米国人が、赤外線レーダー探知から逃れる技術などを中国側に売り渡した容疑で禁固32年の判決を言い渡されてもいる。
「いつもの手」を使えば、中国軍にとって20年の技術格差など…。

発表された性能は
信用できないが
『脅威』にかわりはない
『9条』だけでは
エライ目に遭いそう
じゃあな

【軍事情勢】「正体不明」の中国空軍「見えない戦闘機」
【SANKEI EXPRESS 2011/07/17】
中国空軍の5世代戦闘機J(殲(せん))-20が、レーダーで探知され難いステルス性能を備えているかどうかなど、文字通り「正体不明」になっている。
「脅威論」は根強い。オーストラリアの研究機関「ザ エア パワー オーストラリア」の研究員カルロ・コップ博士は米ウエッブ誌「チャイナ ブリーフ」に「J-20の初期評価」なる論文を掲載。1月に実施された試作機の初試験飛行の画像などから、航空機の大きさや形状・構造をはじき出し、以下のように分析している。
■空の「支配者候補」
≪速度・高度・ステルス・旋回性能は間違いなく米空軍のF-22多用途戦術戦闘機と同レベル。F-35多用途戦闘機に対しては、全てとは言わないが、多くの性能で勝り、十分に対抗し得(う)る。エンジンの推力が大きければ戦闘機、防空要撃機、攻撃機としても活用できる。小さ目であれば、近接航空戦闘における敏捷(びんしょう)性では劣るものの、要撃機や爆撃機としての任務には非常に効果的。ステルス性能に関しても、ほぼ全ての現存する統合防空システムを無効にする能力を備える≫
その結果-
≪環太平洋地域で確実に要撃できる能力を保有している機種はF-22とロシア空軍のミグ-31迎撃戦闘機だけになる≫
しかも-
《大きさから、重量やエンジン推力、燃料タンク容量を計算し、効率的な亜音速巡航速度で飛行したと仮定すると、空中給油なしに第1列島線(図参照)内の全標的を攻撃できる。空中給油を受ければ、米軍の戦略拠点グアムを含む第2列島線(図参照)に沿って、ほとんど全ての標的を狙い得る》

分析が正しければ、FX(次期主力戦闘機)の選定が米国の事情などによって大幅に遅れているわが国にとってはゆゆしき事態である。実際、論文が導き出した結論はこうだ。
(1)初試験飛行は重大な戦略的段階を踏んだといえ、西側の水準に照らしても最先端技術と格付けできる最新鋭機といえる。
(2)ステルス形成技術を習得したとみるべきで、アジアの航空戦略図のバランスを変えてしまう可能性を秘める。
(3)米国とその同盟国による対抗戦略の選択肢は非常に限られる。通常型航空戦力に対する米国と同盟国の戦略的優位は、難しい課題に直面する恐れがある。量産化されれば、アジア・太平洋地域における航空戦略の均衡を変え得る「支配者候補」になることは疑いもない。
■米は脅威論を一蹴
しかし、米国防総省は現段階では脅威とはみなしていない。同省報道官は、脅威と恐れることは「やや大げさ」で「少し落ち着いて評価するように強く勧める」とクギを刺している。その論拠については「開発の動きは掌握してきた」と前置き。現時点で判明したのは「過去の中国機と外形が違う点と短時間の試験飛行を実施した点だけ」だとし「(ステルス性能を備えた)第5世代能力を獲得したかを見極めるのは時期尚早」との見方を示した。そのうえで「米軍は、中国軍などに備え十分過ぎる数のF-22を保有、開発中のF-35にしても2500機配備する計画で、米軍の戦略分析には全く変化がない」と、脅威論を一蹴した。
これに対し、試験飛行を受け中国軍の研究機関・軍事科学院の研究員は北京日報紙上に、実戦配備は「2015~18年」だとの見通しを公言。試験飛行成功により「米露とともに『次世代戦闘機クラブ』の仲間入りをし、航空兵器の発展水準は米国に次ぎ、ロシアとともに第2グループにつけた」と自賛した。もっとも、試験飛行から実戦配備まで「5~8年かかる」としている。一方、中国の軍事情勢に明るい民間軍事研究機関・漢和情報センター(本部・カナダ)は、配備について「10~15年」と見積もっている。
■「安全圏」ではない格差
中国当局者の話を鵜呑(うのみ)みにはできないが、試験飛行で観(み)た胴体は確かに「そろばん玉」のようで、レーダーから照射される電波の反射方向に制約を課すかのような形状を成している。ただし、ステルス機運用は、早期警戒管制機(AWACS)などとの情報共有があって初めて隠密性を発揮、敵の機先を制することができる。そういうネットワークシステムを完成させているか否かも、ステルス機運用に大きく影響する。
ところで、米軍と中国軍の間にはステルス機開発において20年の差があるといわれる。だが、米軍の立ち位置は「安全圏」とは言い難い。コソボ紛争最中の1999年に撃墜された、米空軍のF-117ステルス攻撃機の残(ざん)骸(がい)を住民から買い集め、機密を取得したという、当時のクロアチア軍高官の証言もある。
米ハワイ州の連邦裁判所では、B-2ステルス戦略爆撃機開発メンバーのインド系米国人が、赤外線レーダー探知から逃れる技術などを中国側に売り渡した容疑で禁固32年の判決を言い渡されてもいる。
「いつもの手」を使えば、中国軍にとって20年の技術格差など…。